になって既に久しく、それは気仙地区でも例外ではありません。20世紀半ばに始まった精神科薬物療法の進歩は長期入院を余儀なくされていた統合失調症患者さんの退院を可能とし、心理療法や精神科リハビリテーションの効果を向上させ、それまでの入院中心の医療から、地域のなかで障害と向き合う生活者である患者さんをサポートするという脱入院型医療へと、精神医療の大きな変化をもたらしました。こうした大きな流れのなかで、地域でのケアの基盤を担うべき精神科外来の重要性は年々高まっています。
もうひとつの主な疾患はうつ病を中心とする感情障害(気分障害)です。うつ病は近年急激に増加している自殺の問題との関連で話題に上ることが多く、とくに働き盛りの人におけるリスクが注目されるようになり、厚生労働省の企業向けの啓発活動や製薬会社やマスコミでの受診促進キャンペーン、日本医師会によるうつ病治療マニュアルなどを通じて、早期受診の重要性や薬物療法の有効性について広く知られるようになり、近年では一般診療科での外来治療でも十分治療可能な疾患となりつつあります。実際に約7割の症例は抗うつ薬の投与と静養とで十分な改善が得られますが、難治例に対しては他の薬剤との併用療法や、心理療法、リラクゼーション技法、電気刺激療法など専門的な治療を要します。経過によっては、精神科病棟に入院して治療する方が望ましい場合もあります。また、他疾患との鑑別を要する症例に関しては、治療法の選択に関して精神科専門医の診断が重要となります。近年、一般診療科で抗うつ薬による治療を受けたが十分な効果を得られなかったため精神科に紹介される症例は増加しているとみられ、病院内あるいは病院間・病診間の連携強化のあらわれとも考えられます。
統合失調症や感情障害以外では、パニック障害や強迫性障害といった神経症性障害、PTSD(外傷後ストレス障害)をはじめとするストレス関連障害、適応障害、身体疾患に心理的要因が関与する心身症、アルコール関連障害をはじめとする薬物依存、認知症など脳の老化に伴う精神障害、さらには身体疾患の治療中に生じる精神障害なども対象としています。
また総合病院の中にある精神科の特徴を生かし、身体疾患で入院中の患者さんの心のケアに関しても対応しております。平成19年度からは緩和ケアチームの活動が始まり、精神科医師がチームの一員としてがん患者さんの心のケアのお手伝いをしています。 |