診療科ご紹介
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精神科・ストレス外来

1.診療の概要

  精神科は心の健康のお手伝いをする診療科だといえるでしょう。WHO(世界保健機構)が健康を身体・精神・社会の三つの側面から定義している通り精神の健康を支える上では精神科単独だけでの対応だけでなく、身体的側面に関して他診療科との、社会的側面に関して福祉や教育といった領域との連携が不可欠です。また、社会の多様化・複雑化とともに、精神科がお手伝いする領域はさらに拡大しつつあると言えましょう。

  精神科が対象とする疾患として代表的なものは、人口の約0.75%に発生する統合失調症と生涯発生率が15%とも言われるうつ病です。統合失調症の軽症化が指摘されるようになって既に久しく、それは気仙地区でも例外ではありません。20世紀半ばに始まった精神科薬物療法の進歩は長期入院を余儀なくされていた統合失調症の患者さんの退院を可能とし、心理療法や精神科リハビリテーションの効果を向上させ、それまでの入院中心の医療から、地域のなかで障害と向き合う生活者である患者さんをサポートするという脱入院型医療へと、精神医療の大きな変化をもたらしました。こうした大きな流れのなかで、地域でのケアの基盤を担うべき精神科外来の重要性は年々高まっています。

  もうひとつの主な疾患はうつ病を中心とする感情障害(気分障害)です。うつ病は近年急激に増加している自殺の問題との関連で話題に上がることが多く、とくに働き盛りの人におけるリスクが注目されるようになり、厚生労働省の企業向けの啓発活動や製薬会社やマスコミでの受診促進キャンペーン、日本医師会によるうつ病治療マニュアルなどを通じて、早期受診の重要性や薬物療法の有効性について広く知られるようになり、近年では一般診療科での外来治療でも十分治療可能な疾患となりつつあります。実際に約7割の症例は抗うつ薬の投与と静養とで十分な改善が得られますが、難治例に対しては他の薬剤との併用療法や、心理療法、リラクゼーション技法、電気刺激療法など専門的な治療を要します。経過によっては、精神科病棟に入院して治療する方が望ましい場合もあります。また、他疾患との鑑別を要する疾患に関しては、治療法の選択に関して精神科専門医の診断が重要となります。近年、一般診療科で抗うつ薬による治療を受けたが十分な効果が得られなかったため精神科に紹介される症例は増加しているとみられ、病院内あるいは病院間・病診間の連携強化のあらわれとも考えられます。
  統合失調症や感情障害以外では、 パニック障害や強迫性障害といった神経症性障害、PTSD(外傷後ストレス障害)をはじめとするストレス関連障害、適応障害、身体疾患に心理的要因が関与する心身症、アルコール関連障害をはじめとする薬物依存、認知症など脳の老化に伴う精神障害、さらには身体疾患の治療中に生じる精神障害なども対象としています。

  また総合病院の中にある精神科の特徴を生かし、身体疾患で入院中の患者さんの心のケアに関しても対応しております。平成19年度からは緩和ケアチームの活動が始まり、精神科医師がチームの一員としてがん患者さんの心のケアのお手伝いをしています。

  精神科の主な治療法には薬物療法と精神療法があります。薬物療法では、病気の種類や症状によって薬を使い分け、患者さんそれぞれに応じた適切な薬の調整に努めますが時間がかかることも少なくありません。精神療法には、いくつかの方法がありますが、患者さんの悩みを理解することから始まります。どちらの治療法も患者さんもそして周囲の人々も穏やかな心を取り戻すことが目標です。

  ストレス外来はストレス関連障害のなかでも、不登校などの思春期の心性が問題となる方々を主な対象としています。通常の精神科外来では一人の方に費やすことのできる時間は初診以外には極めて限られており診療は薬剤の調整が中心となりますが、ストレス外来では薬物療法よりもある程度時間をかけた面接や心理療法に治療効果を期待できる症例を対象に、原則として完全予約制で対応しています。必要に応じて、臨床心理士による面接も併用して診療に当たっています。ストレス外来の需要も次第に増えています。ただし、こちらもあくまでも治療を目的としており、漠然と長く話を聞いてほしいといった治療目標を設定し難い要望は範囲外と考えて、運営しています。

  精神科の病気は患者さん自身ではわからない場合があり、ご家族も病気なのかを判断するのが難しいことがよくあります。精神科スタッフは心の病にお悩みの方々のお役に立てるようにと願っております。どうぞ遠慮なく、お気軽にご相談ください。

診療医師


 診療スケジュール

入院疾患統計(平成19年1月1日~平成191231日)

 ICD分類コード

病    名

下位

コード

  件数

F0

器質性精神障害

19

アルツハイマー型認知症

F00

血管性認知症

F01

他の認知症(混合型、特定不能など)

F03

せん妄

F05

他の器質性精神障害(てんかん性精神病を含む)

F06

F1

精神作用物質による精神障害

11

アルコール関連障害

F10

11

F2

統合失調症および関連疾患

F2

30

統合失調症

F20

30

F3

気分(感情)障害

F3

33

うつ病(反復性うつ病性障害を含む)

F32, F33

29

双極性感情障害(躁うつ病)

F31

F4

神経症性障害、ストレス関連障害

解離性障害

F44

F7

精神遅滞

軽度精神遅滞

F70

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